スコティッシュ・フォールドの重症型割合が低下、遺伝子検査の普及で変化か
アニコム パフェとアニコム先進医療研究所、麻布大学の共同研究グループは、スコティッシュ・フォールドの骨軟骨異形成症および折れ耳形質に関連するTRPV4遺伝子変異について、国内の猫8,610頭を対象とした大規模調査を実施。その結果、重症化リスクが高いとされるホモ接合個体の割合が大幅に減少していることが明らかになった。
研究では、2017年から2024年に生まれた14品種の猫を対象に遺伝子解析を実施。スコティッシュ・フォールドにおいて、TRPV4変異を2つ持つホモ接合個体の割合は2017年の14.2%から2024年には1.9%へと統計的に有意に低下。一方、変異を1つ持つヘテロ接合個体や変異を持たない野生型個体の割合には大きな変化はみられなかった。
TRPV4遺伝子変異は、スコティッシュ・フォールド特有の折れ耳形質と関連する一方、骨や関節に異常を引き起こす骨軟骨異形成症との関連も指摘されている。特にホモ接合個体では重度の症状が現れやすいことから、動物福祉の観点でも慎重な繁殖管理が求められてきた。
今回の結果について研究グループは、遺伝子検査の普及によって、ホモ接合個体が生まれる可能性のある交配を避ける繁殖管理が進んだ可能性を示唆している。TRPV4変異を対象とした検査が利用可能になった時期と減少傾向が重なることから、検査の活用が影響した可能性があるという。
また、TRPV4変異はスコティッシュ・フォールドだけでなく、アメリカン・カール、ノルウェージャン・フォレスト・キャット、マンチカン、ミヌエットでも確認された。特にマンチカンではホモ接合個体も検出されており、過去の交雑の影響が反映されている可能性があるとしている。
研究グループは、今回の成果について「遺伝子検査を活用した科学的根拠に基づく繁殖管理が、遺伝性疾患リスクの低減や動物福祉の向上に貢献する可能性を示した重要な知見」と評価している。一方で、日本国内の集団を対象とした研究であることから、今後は海外を含めたさらなる調査や、他品種における遺伝子変異と症状の関連性を検証する研究が必要としている。
本研究成果は、動物遺伝学の国際学術誌「Animal Genetics」に掲載された。
(C)アニコムグループ

