子猫に大人用の餌を与えるのはダメ|成猫用フードとの違いは?


子猫に大人用(成猫用)のフードを与えてもいいの?
子猫用と成猫用フードの違いは?

こんな疑問にお答えします。
子猫に成猫用の餌はあげちゃダメです。また、子猫用の餌は高タンパク質・高カロリーです。
この記事を読めば、子猫に成猫用の餌をあげてはならない理由や、子猫用フードの特徴がわかります。
子猫に大人用の餌を与えるのはダメ!成猫用フードとの違いは?
子猫用と成猫用フードの違いとは?
子猫用と成猫用フードの違いはタンパク質、カロリー量です。
子猫は生後3か月までは手のひらに乗るほど小さいのですが、生後6か月までに一生分の骨格の発育を終え、生後8か月前後で最初の発情期を迎えます。

人間の年齢でいうと、2か月で3歳、6か月で8〜9歳、1年で13〜18歳と子猫の成長スピードはものすごく早いのです。

成長スピードが早いということは、エネルギーも相当使うので、体力をつけるためにも子猫は栄養満点の子猫用フードを食べる必要があります。
[chat face=”hakase.jpg” name=”” align=”left” border=”blue” bg=”none”]ロイヤルカナンのドライフードを例に挙げてみましょう。[/chat]
子猫 | 成猫 | |
商品名 | キトン | インドア |
年齢 | 2か月 | 3歳 |
体重 | 1kg | 3kg |
1日あたりの給与量 | 45g | 45g |
代謝エネルギー | 442kcal/100g | 375kcal/100g |
タンパク質 | 32%以上 | 25%以上 |
同じ量(45g)のフードから摂取できる栄養量が大きく異なります。子猫用フードは少量でも豊富な栄養素が含まれていることがわかります。
食事の回数
子猫の食事は、少ない量を1日5回以上あたえます。朝、昼、晩ではないのは、子猫は一度にたくさん食べられないのと、消化吸収率を上げるためです。
子猫に成猫用フードを与えると?
■子猫に成猫用フード
成長期に十分な栄養を摂取できなくなる。
■成猫に子猫フード
栄養を摂りすぎて肥満になる。
ちなみに、子猫用フードは生後1年を迎えるまで与え続けるよう推奨されています。その後は2週間ほどをかけて徐々に成猫用フードを混ぜ合わせましょう。
妊娠授乳中は成猫にも子猫用フードを与えよう
猫が妊娠中や授乳中な場合は、成猫であっても子猫用フードを与えましょう。
この時期の母猫は、いつもより多くの栄養を摂る必要があります。単純に成猫用フードの量を増やすだけでは栄養量が足りません。
子猫から成猫まで対応している餌は問題ない?
最近は子猫、成猫、老猫と全年齢対応の餌が増えていますが、年齢、体重や体調に応じて、与える量を見直す必要があります。
カナガンのドライフードを例に挙げてみましょう。
〜2か月:20〜30g
〜12か月:75g〜
1歳以上(体重2.5〜3.5kg):35〜45g
※年齢ごとの給与量(1日)
■3〜12か月
たくさんの栄養が必要な時期なので、給与量が多くなる。
■1歳以上
成猫となり体重維持を心がける時期は、成長期より給与量が少なくなる。
このように発育、健康状態に応じて給与量を調整するだけで、年齢による切り替えは不要です。
子猫用、成猫用と切り替えている飼い主さんからすると疑問や不安を感じるでしょうが、人間の食事と同じです。
人間も主食である白米は乳幼児から高齢者まで一環して食べ続けますが、年齢によって摂取量や調理方法は変化します。
猫の食性も同様に考えると、年齢によって主食自体を変える必要はないという結論に至ります。
子猫用フードによくある質問
①ふやかしはいつまで?
ドライフードをふやかして与える期間は、生後3か月までが目安。この時期は、歯の生え変わりも進み、甘噛みも目立ち始める頃でもあります。
猫は生後1〜2か月で完全に離乳を終えます。離乳が終わってフードの食感に慣れる頃を目安にふやかすのを止め、徐々に固いフードを与えていきましょう。
急に固いフードをあげると子猫が食事への嫌悪感や抵抗感を示すことがあるので、ふやかす時間を徐々に短くして、固さを調整しながら切り替えるのがベストです。
②ウェットフードは子猫に与えるべきではない?
ウェットフードは賛否両論ありますが、完全に拒絶する必要はありません。
子猫である約1年の期間は、親離れ、離乳、環境の変化といろいろあるので、精神が不安定になる猫もいます。中には食欲が減退し、命の危険に直面する子猫も珍しくありません。
ドライフードを食べてくれない場合、風味や食感に工夫を凝らした嗜好性の高いウェットフードを与えて、お腹を満たすことを最優先に考えてあげましょう。
ちなみに、ピュリナはミックスフィーディング(ドライフードに加えてウェットフードを与えること)を推奨しています。
③粉ミルクや液状ミルクを与えるべき?
生後2か月未満、もしくは発育不良、食欲不振、体重減少などの状態にある場合は、子猫用ミルクをおすすめします。
ミルクを与えることで効率的に栄養を摂取できる上に、食欲増進の効果も期待できます。しかし、離乳期を過ぎている場合、ミルクはあくまでも補助的なものと考え、問題が解決したらミルクをあげるのは止めましょう。
④食べない時はフードを変えるべき?
子猫の食欲は不安定で、時には食べない、口さえもつけてくれないこともあります。このような場合、すぐにフードの銘柄を変えることが必ずしも解決策とは限りません。
銘柄を変える前に下記のことを試してみて下さい。
フードを人肌程度に温める
粉ミルクで風味を変える
鰹節などをトッピングする
ドライを食べなければウェットと混ぜる
皿ではなく人間の指に乗せて食べさせる
気分が変わって食欲が刺激される場合があります。フードを切り替えると、風味や食感が一変してしまい、ますます食への嫌悪感が増す場合もあるので注意しましょう。
⑤今まで食べていたフード銘柄をそのまま与えるべき?
ペットショップ、ブリーダーや保護団体から子猫を迎える場合、子猫がそれまで食べていたフードを与え続けるよう言われます。
この場合、新しい生活環境に慣れ、食欲や便の状態が安定するまで、同じ銘柄のフードを与えましょう。
急に食べたことのない銘柄にするのはリスキーなので、徐々にいろいろな銘柄をあげて、好きそうなフードを選んであげましょう。
一般食と療法食の違い
動物病院で処方される病気治療のためのフードを療法食と呼びます。療法食は通販やペットショップでも購入できますが、基本的には獣医師の診断のもと、猫の症状に応じて給与量、給与期間を決めなければなりません。
療法食は特定の疾患に対処するために、一般的なフードと栄養量、成分が異なります。飼い主の自己判断で与え続けることで、愛猫の体調不良につながる場合があるので注意しましょう。
【まとめ】子猫に大人用の餌を与えずに子猫用フードをあげよう
子猫には発育に必要な十分な栄養量が含まれているフードを、成猫には健康、体質、体調と猫の好みを踏まえたフードを選んであげましょう。