猫の寿命を延ばす新薬開発の舞台裏を追う科学ノンフィクション、学研が刊行へ
学研ホールディングスのグループ会社であるGakkenは、科学ノンフィクション「AIMの研究 『世界初』のネコが長生きする薬ができるまで」の予約販売を開始した。発売は2026年6月4日を予定。
本書は、ネコの慢性腎臓病治療薬として期待される新薬の開発過程を描いている。日本では約900万頭のネコが飼育されており、平均寿命は15〜20年とされるが、多くのネコが加齢とともに腎臓病を発症し、本来の寿命を全うできない現実がある。こうした課題に挑む研究の最前線を、1年以上にわたるインタビューをもとにまとめている。
研究を主導したのは、免疫学者でありAIM医学研究所代表理事の宮崎徹氏。1996年に発見したタンパク質「AIM(Apoptosis Inhibitor of Macrophage)」の働きを応用し、ネコの腎臓病治療薬の開発を進めてきた。2026年4月24日には、動物用医薬品として農林水産省に製造販売の承認を申請しており、実用化に向けた大きな節目を迎えている。
本書では、研究の進展だけでなく、新型コロナウイルス禍による研究停滞や、全国の愛猫家からの寄付による再始動といった背景にも焦点を当てる。東京大学教授の職を辞してまで研究に専念した宮崎氏の決断や、「治せない病気を治したい」という信念に共鳴した人々の支援の広がりなど、科学研究を支える人間ドラマも描かれている。
「学研の科学ブックス」シリーズの一環として刊行される本書は、子どもから大人までを対象に、現代の科学研究のリアルを伝えることを目的としている。研究者の試行錯誤や情熱を、平易ながらも本格的に描くことで、科学への関心喚起を図る。
ネコの寿命を大きく変える可能性を秘めた新薬開発。その裏側にある長年の研究と人々の思いを伝える本書は、科学と社会の関係を考える上でも注目される一冊となりそうだ。
(C)学研ホールディングス




