年齢別キャットフードの違い|多頭飼いは注意が必要かも
キャットフードは年齢別で違いはありますか?
多頭飼いで、子猫が成猫の餌を食べてしまうのですが大丈夫ですか?
子猫、大人、シニアと違いがあり、基本的には年齢別にわけて与えたほうがいいです。
・子猫→高タンパク質、高脂肪
・成猫→低タンパク質、低脂肪
・シニア→基本は低タンパク質、たまに高タンパク質、低脂肪、健康系
キャットフードは年齢別で違います
猫のライフステージは細かくすると5ステージ、大きくすると3ステージに分けられます。
■5ステージ
成長前期(誕生〜8週齢)
成長後期(9週齢〜11か月)
成猫期(1〜7歳)
中高齢期(8〜12歳)
高齢期(13歳〜)
■3ステージ
成長期(誕生〜11か月)
成猫期(1〜12歳)
高齢期(13歳〜)
キャットフードの保証成分をみるとライフステージ別で必要な栄養素が分かります。
今回は子猫からシニアまで多くの餌を取り扱う、ロイヤルカナンで比較します。
ライフステージ | 成長前期 | 成長後期 | 成猫期 | 中高齢期 | 高齢期 |
商品名 | マザー&ベビーキャット | キトン | インドア | インドア7+ | エイジング12+ |
タンパク質 | 32.0%以上 | 34%以上 | 25%以上 | 25%以上 | 28%以上 |
脂質 | 23%以上 | 16%以上 | 11%以上 | 11%以上 | 17%以上 |
粗繊維 | 2.9%以下 | 3.3%以下 | 5%以下 | 4.6%以下 | 5.4%以下 |
灰分 | 8.1%以下 | 8.5%以下 | 8%以下 | 7.6%以下 | 5.8%以下 |
水分 | 6.5%以下 | 6.5%以下 | 6.5%以下 | 6.5%以下 | 6.5%以下 |
代謝エネルギー) | 442kcal/100g | 409kcal/100g | 375kcal/100g | 378kcal/100g | 408kcal/100g |
注目するのはタンパク質と脂質です。
■成長期
成長期の子猫は運動量が多いのでエネルギーの源になるタンパク質を多く必要とします。
また、毛並みを良くしたり皮膚のトラブルなどを起こさないように脂質も多く必要となってきます。
■成猫期(維持期)
成猫期は、運動量が減少すると同時に基礎代謝も低下するので、必要なエネルギー量が減ります。
1歳は人間だと20歳なので、うっかり子猫の餌を与え続けてしまうと栄養過多になり肥満に繋がります。
また、高タンパク質だと腎不全になる可能性があります。健康面を考え始めないと、という時期ですね。
■高齢期
高齢期になると食べる量も減り、少量で多くのエネルギーを摂取する必要があるので、逆に高タンパク質になる傾向があります。
成分を見る限り子猫の餌をシニア猫にあげてもよさそうですが、それはNGです。
理由はシニア用のキャットフードは味覚や嗅覚が衰えた猫に食べてもらうため、強めの香料や濃い味付けになっているからです。
また、高齢期になると腎臓病、腎不全、歯周病、認知症、ガン、心臓病、糖尿病、膀胱炎、外耳炎になりやすくなります。
健康を考えた餌を選ばないといけません。
ライフステージ | 成長前期 | 成長後期 | 成猫期 | 中高齢期 | 高齢期 |
商品名 | マザー&ベビーキャット | キトン | インスティンクティブ | インスティンクティブ7+ | エイジング12+ |
タンパク質 | 8.5%以上 | 10%以上 | 9.8%以上 | 8.5%以上 | 7.5%以上 |
脂質 | 3.5%以上 | 2%以上 | 2.5%以上 | 0.5%以上 | 2%以上 |
粗繊維 | 2.4%以下 | 1.9%以下 | 1.8%以下 | 2.4%以下 | 2.1%以下 |
灰分 | 2.1%以下 | 2%以下 | 1.7%以下 | 1.2%以下 | 1.3%以下 |
水分 | 81.5%以下 | 81%以下 | 81%以下 | 83.5%以下 | 83%以下 |
代謝エネルギー) | 96kcal/100g | 95kcal/100g | 91kcal/100g | 78kcal/100g | 87kcal/100g |
ウェットフードは成分の大半が水分なので、ドライフードと異なりそこまで大きな違いはありません。
しかし、タンパク質と脂質は子猫用のほうが多めなので、やはりウェットフードも年齢別で選んだ方がいいと思います。
オールステージのキャットフードについて
オールステージ(全年齢)対応のキャットフードに関しては、体重や年齢に応じて給与量を見直しましょう。
カナガンのドライフードを例にあげます。
〜2か月:20〜30g
〜12か月:75g〜
1歳以上:35〜45g
※1日の給与量
■子猫(〜12か月)
たくさんの栄養が必要な時期なので与える量が増えます。
■1歳以上
成猫やシニアとなり健康を考える時期は、子猫の成長期より給与量は少なくなります。
与える量を変えるだけでいいので、オールステージのキャットフードがダメということはありません。
しかし、オールステージのキャットフードは基本的に「12か月に近い子猫から12歳」向けです。
違いはどこに?年齢別キャットフード
実際に与えていたり、気軽に購入できるキャットフードの中から選んでみました。
ミルクと離乳食に関しては高評価のものを選択。生まれた瞬間から育てたことがないので…。
成長前期
森永乳業グループのワンラックキャットミルクなどが有名ですね。一緒に哺乳瓶も買うといいでしょう。
また、ミルクを作るときはお腹にやさしい軟水で作ることをおすすめします。
4週齢くらいからは徐々に離乳食を与えましょう。
日清はカップヌードルのみならずキャットフードも製造・販売しています。
成長後期
カルカンの子猫用パウチは離乳食として与えても大丈夫です。
ドライフードならピュリナワンの「1歳までの子ねこ用」がおすすめです。
高タンパク質、高脂質なので妊娠・授乳期の母猫にも適しています。
成猫期
ユニチャームの「銀のスプーン三ツ星グルメ」や「シーバ」はよくスーパーで売っていますね。
カナガンはグレインフリーとして有名。対象年齢はオールステージですが、大人に近い子猫、成猫期の猫におすすめです。
また、最近はオーラルケア用のカナガンデンタルも発売されています。
90%以上が肉(牛、猪、ヤギ、羊、サバ、豚)というオリジンのレジオナルレッドです。
グレインフリーで、完全肉食の猫に適した野生的なドライフード。これも対象年齢はオールステージですが大人向けかと。
アイシアの代表作、ロングセラーの黒缶ですね。
1977年から売られており日本で一番有名といっても過言ではない!?
はごろもフーズの無一物。国産で食品添加物を加えておらず、天然水使用と美味しくて安全なパウチです。
中高齢期
人間と同じで「もう若くない」時期。健康に気を使ったキャットフードを与えましょう。
ミネラル配合量や尿pH調整されているのがおすすめです。
メディファスの下部尿路ケアフードは麻布獣医学部と共同で開発されました。
ロイヤルカナンの「インドア7+」には消化率を高める超高消化性タンパクが配合されています。
健康的に消化できるとウンチの量が臭いを軽減することができます。
ヒルズのサイエンスダイエットは「そぼろ」みたいな缶詰。目と心臓の健康をサポートするタウリンが含まれています。
高齢期
11歳、15歳、18歳という感じで分けられており、15歳からが本当に高齢の猫だと思います。
この年齢になるとドライフードが食べられない猫もいるので、ウェットフードを中心にあげたほうがいいです。
ウェットフードを拒否されたら老衰のサインなので、チャオチュールやモグリッチを与えてみてください。美味しいので結構食べてくれます。
個人的には猫を夢中にさせるオヤツであるとともに、介護食だと思っています。
【まとめ】キャットフードは年齢別で違います。なので多頭飼いは注意が必要です。
キャットフードはできれば年齢別に分けてあげた方がいいです。
多頭飼いだとそうもいかないかもしれませんが、餌の置き場を変えるなど工夫してみましょう。
とはいえシニアの猫が子猫の餌を食べても、子猫が成猫の餌を食べても問題はないですが、それが日常化するようなら絶対に止めましょう。
また、生まれたて猫は赤ちゃんなので、当然ですが、子猫、成猫、シニアとは分けて考えましょう!