猫アレルギーでも飼える猫は?アレルゲン「Fel d 1」が少ない12種と対策法
猫アレルギーがあっても、猫を飼いたい。そんな気持ちを持っている方は少なくありません。
「猫アレルギーだから絶対に無理」と諦めている方もいるかもしれませんが、猫種の選び方や生活環境の工夫次第で、一緒に暮らせるケースは実際にあります。
この記事では、アレルギーが出にくいとされる猫12種の特徴を、アレルゲンのメカニズムも含めて詳しく解説します。
注意:猫アレルギーは個人差が非常に大きく、同じ猫種でも個体によって反応が異なります。この記事の情報はあくまで参考としてご活用ください。飼い始める前に、必ずアレルギー専門医に相談することをおすすめします。
猫アレルギーの原因は「毛」ではなくタンパク質
まず多くの方が誤解しているポイントから整理します。
猫アレルギーの原因は、猫の毛そのものではありません。
原因は「Fel d 1(フェルディーワン)」という糖タンパク質です。Fel d 1は猫の皮脂腺・唾液・涙・尿などに含まれており、猫が毛づくろいをすることで全身の被毛に付着します。これが乾燥して微粒子となり空気中に舞い上がり、人間が吸い込むことでアレルギー反応が起きます。
猫アレルギー陽性の方の約90〜95%が、このFel d 1に反応するとされています。
Fel d 1は非常に軽い粒子で空気中に長時間漂いやすく、猫と直接触れ合わなくてもアレルギー症状が出ることがあります。抜け毛が多い猫ほど、部屋中にFel d 1が広がりやすくなります。
猫アレルギーの主な症状
| 軽度 | 重度 |
|---|---|
| くしゃみ・鼻水 | 喘息発作 |
| 目のかゆみ・充血 | 呼吸困難 |
| 皮膚のかゆみ・赤み | アナフィラキシーショック(まれ) |
| 咳 |
アレルギー症状が重い場合は、猫との同居を避けることが必要な場合もあります。症状の程度については、必ず医師の判断を仰いでください。
猫アレルギーでも飼いやすい猫の条件
アレルギーが出にくいとされる猫(ハイポアレルジェニックキャット)には、次の2つの特徴があります。
Fel d 1の生産量が遺伝的に少ない
猫種によって、Fel d 1を生成する量が異なります。遺伝的にFel d 1の分泌が少ない猫種は、アレルゲンが室内に広がりにくいため、アレルギー反応が起きにくいとされています。
抜け毛が少なく、アレルゲンが広がりにくい
抜け毛が少ない・毛が抜けにくい構造の猫は、アレルゲンが部屋中に飛散するリスクが低くなります。毛が短かったり、巻き毛構造だったりすることで、毛の飛散が抑えられます。![]()
猫アレルギーでも飼える猫12種
Fel d 1の生産量が少ない猫種
サイベリアン

長毛種でありながら、遺伝的にFel d 1の分泌量が他の猫種より少ないことで知られる猫種です。猫アレルギーを持つ人の間でも「サイベリアンなら症状が出にくかった」という報告が多く、ハイポアレルジェニックキャットの中でも特に注目度が高い猫種です。
ロシア原産で、温かみのある性格と豊かな被毛が魅力。定期的なブラッシングでアレルゲンの拡散を抑えることができます。
- 原産国:ロシア
- 毛種:長毛種
- 性格:人懐こく、穏やか。子供や他のペットとも馴染みやすい
- 体重目安:4〜9kg(大柄な猫)
- 注意点:毛量が多いため、こまめなブラッシングが必要
ロシアンブルー

短毛で毛が抜けにくく、Fel d 1の分泌量も少ないとされる猫種。エメラルドグリーンの瞳と青みがかったシルバーグレーの被毛が美しく、日本でも人気が高い猫種のひとつです。
おとなしく、初めて猫を飼う方にも向いています。ただし、年に2回の換毛期には抜け毛が増えるため、この時期はとくに掃除をこまめに行いましょう。
- 原産国:ロシア
- 毛種:短毛種(二層構造のダブルコート)
- 性格:物静か、繊細、飼い主に深く懐く
- 体重目安:3〜5kg
- 注意点:換毛期の抜け毛対策が必要
バリニーズ

シャムから突然変異で生まれた長毛種。見た目はシャムに似ており、スレンダーな体型が特徴です。長毛ながらFel d 1の生産量が少ないとされており、アレルギーが出にくい猫種として挙げられることが多いです。
賢く活発な性格で、飼い主とのコミュニケーションを好みます。
- 原産国:アメリカ
- 毛種:長毛種(アンダーコートがなく比較的毛が絡まりにくい)
- 性格:おしゃべりで甘えん坊、活発
- 体重目安:3〜5kg
- 注意点:運動量が多いため、遊ぶ時間を十分に確保する必要がある
オリエンタルショートヘア

シャムを祖先に持つアメリカ生まれの猫種。Fel d 1の生産量が少ないとされており、短毛のためアレルゲンが広がりにくいという点でもアレルギーの方に向いています。
大きな耳と細長いスタイルが特徴的で、個性的な外見を持ちます。社交的で人懐こい性格です。
- 原産国:アメリカ(シャムが起源)
- 毛種:短毛種
- 性格:社交的、好奇心旺盛、甘えん坊
- 体重目安:3〜5kg
シャム(サイアミーズ)

タイ原産の歴史ある猫種。短毛で抜け毛が少なく、ブラッシングでアレルゲンを除去しやすいのが特徴。Fel d 1の分泌量も比較的少ないとされています。
サファイアブルーの目と独特のポイントカラーが美しく、飼いやすい猫としても知られています。
- 原産国:タイ
- 毛種:短毛種
- 性格:活発で人懐こく、鳴き声が大きい
- 体重目安:3〜5kg
ジャバニーズ

アメリカで生まれたレアな猫種で、日本ではほとんど見かけない希少な存在。尻尾がふさふさしていますが、アンダーコートがないため毛が抜けにくく、アレルゲンの飛散が少ないとされています。
日本での入手は難しいため、専門のブリーダーへの問い合わせが必要です。
- 原産国:アメリカ
- 毛種:長毛種(アンダーコートなし)
- 性格:穏やか、社交的
- 注意点:日本国内での入手が非常に難しい
毛の構造上、アレルゲンが広がりにくい猫種
スフィンクス

毛がなく、ひげもないカナダ原産の猫種。毛がないため抜け毛によるアレルゲンの飛散がなく、アレルギーの方に向いていると思われがちです。
ただし、毛がなくてもFel d 1は皮脂腺から分泌されます。フケという形でアレルゲンが体外に出るため、定期的な体のふき取りや洗浄が必要です。スキンケアをこまめに行えば、アレルゲンの拡散を抑えることができます。
- 原産国:カナダ
- 毛種:無毛(ヘアレス)
- 性格:人懐こく甘えん坊、活発
- 体重目安:3〜6kg
- 注意点:寒さに非常に弱いため室温管理が必須。体の定期的な清拭が必要
デボンレックス

イギリス原産の縮れ毛(カーリーコート)を持つ猫種。縮れ毛の構造によって毛が抜けにくく、アレルゲンが部屋中に広がりにくいとされています。その独特の巻き毛から「プードルキャット」とも呼ばれています。
耳が大きく、エルフのような外見が個性的。活発で遊び好きな性格です。
- 原産国:イギリス
- 毛種:短毛種(縮れ毛)
- 性格:陽気、好奇心旺盛、ハンターの本能が強め
- 体重目安:2〜4kg
- 注意点:寒さに弱いため、冬場の室温管理が必要
コーニッシュレックス

同じくイギリス生まれの縮れ毛の猫種。全身を覆うウェーブ状の毛が抜けにくく、アレルゲンの拡散を抑えます。細身でしなやかな体型と、クルクルとした毛が特徴。
- 原産国:イギリス
- 毛種:短毛種(ウェーブ状の縮れ毛)
- 性格:大胆でエネルギッシュ、甘えん坊、社交的
- 体重目安:3〜4kg
- 注意点:寒さに弱いため防寒対策が必要
ベンガル

野生のヤマネコとイエネコを交配して誕生したアメリカの猫種。野生的なヒョウ柄の外見が魅力で、アクティブな猫種として知られています。短毛で抜け毛が少なく、アレルゲンの飛散が比較的少ないとされます。
ただし運動量が多く、遊びや刺激を必要とするため、初心者にはやや飼育難易度が高めです。
- 原産国:アメリカ
- 毛種:短毛種
- 性格:非常に活発、好奇心旺盛、独立心が強い
- 体重目安:4〜7kg
- 注意点:運動量が多いため広いスペースや十分な遊び時間が必要
オシキャット

野生のヤマネコに似た見た目を持つアメリカ生まれの猫種ですが、ヤマネコの血は混じっていません。短毛でFel d 1の生産量が少ないとされており、アレルギーの方にも向いています。
アーモンド形の大きな目とスポット柄が特徴的で、見た目のインパクトがあります。
- 原産国:アメリカ
- 毛種:短毛種
- 性格:社交的、人懐こく、犬のように従順な面もある
- 体重目安:3〜7kg
ラパーマ

アメリカで自然突然変異によって生まれた、ウェーブかかった巻き毛が特徴的な猫種。巻き毛構造により毛が抜けにくく、アレルゲンの飛散が少ないとされています。
長毛種と短毛種が存在します。おとなしく人懐こい性格で、日本でも徐々に知名度が上がっています。
- 原産国:アメリカ
- 毛種:長毛・短毛(どちらも巻き毛)
- 性格:穏やかで愛情深い、甘えん坊
- 体重目安:3〜5kg
猫アレルギー対策|飼い始める前に知っておくこと
猫種を選んだだけで安心するのはNG。アレルギーを持つ方が猫と暮らすには、日々の生活環境の整備が欠かせません。
飼い始める前に必ずアレルギー検査を

まず病院でアレルギー検査(血液検査または皮膚テスト)を受け、自分のアレルギーの程度を把握しましょう。Fel d 1への反応レベルを確認することで、実際に飼える可能性があるかどうかの判断材料になります。
また、可能であれば実際に気になる猫種の個体に会ってみることが理想的です。同じ猫種でも個体差があるため、特定の子と接触してみて反応を確認することが重要です。
空気清浄機(HEPAフィルター搭載)の導入
Fel d 1は非常に軽く、空気中に長時間漂います。HEPAフィルター搭載の空気清浄機をリビングや猫がよくいる部屋に設置し、24時間稼働させるのが効果的です。
こまめな掃除(水拭きが特に有効)
掃除機だけでは床に落ちたアレルゲンが舞い上がってしまいます。床は水拭きをするのがベスト。アレルゲンは水に溶けやすい性質があるため、水拭きの効果は高いです。カーペットや布製ソファはアレルゲンが溜まりやすいため、可能であればフローリングにするか、週2〜3回の徹底的な清掃を心がけましょう。
定期的なブラッシングとシャンプー
抜け毛やフケを取り除き、被毛に付着したアレルゲンを減らす効果があります。換毛期(春・秋)はとくに念入りに。猫が嫌がる場合は少しずつ慣らしていきましょう。
寝室への立ち入りを制限する
猫と一緒に寝るのは控え、寝室を「猫立ち入り禁止ゾーン」にするだけで、就寝中のアレルゲン吸入を大幅に減らすことができます。
アレルゲンを減らすキャットフードの活用

「ピュリナ プロプラン リブクリア」「和漢みらいのキャットフード」など、猫が食べることでFel d 1の分泌を抑える効果が期待できる機能性キャットフードも市販されています。猫種の選択と並行して検討する価値があります。
医師への相談を忘れずに
症状が続く場合や重い場合は、アレルギー専門医や内科医に相談しましょう。抗ヒスタミン薬や点鼻薬、点眼薬などで症状をコントロールできるケースもあります。ただし、自己判断での長期服用は避け、医師の指示に従ってください。
まとめ
猫アレルギーでも飼いやすいとされる猫12種をまとめます。
| # | 猫種 | 主な理由 | 毛種 |
|---|---|---|---|
| 1 | サイベリアン | Fel d 1が遺伝的に少ない | 長毛 |
| 2 | ロシアンブルー | Fel d 1が少なく抜け毛も少ない | 短毛 |
| 3 | バリニーズ | Fel d 1が少ない | 長毛 |
| 4 | オリエンタルショートヘア | Fel d 1が少なく短毛 | 短毛 |
| 5 | シャム | 短毛で抜け毛が少ない | 短毛 |
| 6 | ジャバニーズ | アンダーコートなし | 長毛 |
| 7 | スフィンクス | 抜け毛がほぼない(要スキンケア) | 無毛 |
| 8 | デボンレックス | 縮れ毛で毛が抜けにくい | 短毛 |
| 9 | コーニッシュレックス | 縮れ毛で毛が抜けにくい | 短毛 |
| 10 | ベンガル | 短毛で抜け毛が少ない | 短毛 |
| 11 | オシキャット | 短毛でFel d 1が少ない | 短毛 |
| 12 | ラパーマ | 巻き毛で毛が抜けにくい | 長毛・短毛 |
大切なのは、猫種を選ぶだけでなく、検査・環境整備・日々のケアを組み合わせること。アレルギーを持ちながらも猫と幸せに暮らしている方は実際にたくさんいます。諦める前に、まずは専門医に相談してみてください。



