グレインフリーとは?|猫は穀物類を消化できるけど苦手
グレインフリーについて知りたいです。
猫は穀物類を消化できないの?
かかりつけの獣医師によれば、キャットフードに使用されている穀物類は加熱されているため、猫は穀物類を消化できます。
穀物類を使用する理由は、原価が安い、炭水化物を適度に配合する、ドライフードの形を整えるなど。
この記事を読めば、猫ちゃんの餌をグレインフリーにすべきか、しないべきか分かりますよ。
猫は穀物類を消化するのが苦手?
▼獣医師の見解
穀物類に多く含まれている炭水化物と、その炭水化物に含まれている不溶性植物繊維を消化するは少し苦手ですが、餌に使われている穀物類は加熱されているので消化されます。
猫は本能的に『消化ができない』と思った餌は吐き出すので、その時は餌を変えましょう。
穀物類の食べ過ぎは好ましくない
穀物類を消化できる猫でも体の構造上、摂取のしすぎは好ましくありません。
草食動物(馬や牛など)の大腸の長さは身長の20倍もありますが、猫は4倍のみ。
腸内では微生物が穀物類内の食物繊維を分解して腸の働きを整えますが、猫の大腸は短すぎるため分解が追いつかず、消化不良の原因になります。
また、猫は盲腸がほぼないため、穀物類に含まれる食物繊維「セルロース」の消化ができません。セルロースは避けよというのはこの理由からです。
穀物類をキャットフードに使うのはなぜ?
炭水化物を適度に配合するため
▼獣医師の見解
肉食な猫はタンパク質をエネルギーに変える能力が高いので、炭水化物はあまり必要ないですが、最低限は摂取させて下さい。
炭水化物を分解してできる糖分はエネルギー源になるため、適度に必要。炭水化物として使われているのが穀物類です。
また、肉食といって肉ばかりを食べていてもダメ。タンパク質や脂肪を大量摂取すると栄養バランスが乱れます。
例えば、オリジンの肉の使用率は85〜90%と高いですが、100%にしないのは100%ミートはダメだと分かっているため。
残りの10〜15%で適度に炭水化物をとれるよう、バランス配合を考えているのです。
炭水化物以外の栄養素になる
穀物類は、炭水化物のほかに、タンパク質、繊維質、ビタミン、ミネラルなどいろいろな栄養素が含まれています。
これらの栄養素を簡単に摂取できる食材が穀物類ということから、穀物類が一般的なキャットフードに使われています。
穀物類は原価が安い
穀物類は原価が安いので、コストダウンを考えると効率のいい食材になります。
ドライフードの形を整える
穀物類はドライフードの形を整え、砕けないようにする働きをします。また、ウェットフードだと「とろみ」をつける役割もあります。
グレインフリーのほうがいい?
第一原材料は肉がいい
▼獣医師の見解
グレインフリーでも穀物類入りでも良いですが、第一原材料が穀物類なのは避けた方が良いでしょう。
例えば、シーバの原材料(原材料は使用率の多い順に記載されています)。
肉類(チキン等)、穀類(コーン等)、油脂類、米、小麦粉、まぐろエキス、ズワイガニエキス、ほたてエキス、たいエキス、ささみエキス、ビタミン(A、C、D、E、B1、B2、B6、B12、パントテン酸、ナイアシン、葉酸、ビオチン、コリン)、ミネラル(カルシウム、リン、銅、マンガン、亜鉛、ヨウ素)、アミノ酸(メチオニン、タウリン)、着色料(酸化鉄)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物)
最も多く使われている(第一原材料)のは肉類で、次に穀物類です。
逆に「穀類(コーン等)、肉類(チキン等)」と「第一原材料が穀物類だったら避けた方がいい」というが獣医師さんの見解でした。
グレインフリーが優れている根拠はない
▼獣医師の見解
欧米諸国ではグレインフリーが流行っていますが、絶対にグレインフリーが良いという科学的根拠は今のところないです。
猫が好んで食べてくれるならグレインフリーが良いかな?くらいです。色々と試してみると良いですよ。
グレインフリーのメリット
・消化吸収率がいい
・肉や魚がたくさん使われている
・動物性タンパク質を摂取できる
・少ない量でもエネルギーに変えることができる
・穀物アレルギーの猫が食べられる
グレインフリーのデメリット
・価格が高い
グレインフリーのキャットフードが高いのは、原価の安い穀物類を使用せず、穀物類の代わりに高級な原材料を使っているため。
・食べない
人工的に味をつけたり、香料をつけていないのが大半なので、ナチュラルな味すぎて食べない猫もいます。
グレインフリーのまとめ
「穀物類の摂取しすぎは避けたほうが良い」ということと、消化できないわけではないことも分かって頂けたと思います。
とにかくネットに出回っている「穀物類が入ったキャットフードはダメ!」というデマには気をつけましょう。