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豆知識
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猫がなりやすい病気10選|症状・原因・治療費・予防法を解説

子猫たち
編集長

猫は痛みや不調を本能的に隠す動物です。そのため飼い主が異変に気づいたときには病気がかなり進行していることがよくあります。

この記事では猫が特にかかりやすい10の病気について、初期症状・原因・治療費の目安・自宅でできる予防策を詳しく解説します。「うちの猫は元気だから大丈夫」と思っていても、定期的な知識のアップデートが愛猫の命を救います。

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猫の三大疾患:慢性腎臓病・尿路疾患・糖尿病

慢性腎臓病(CKD):猫の死因No.1

慢性腎臓病は猫の死因の中で最も多い疾患のひとつです。特に10歳以上の猫では約30〜40%が何らかの腎機能低下を持つとされており、シニア猫の最大の課題といえます。腎臓は一度機能が失われると再生しないため、早期発見・早期対処が生命予後を大きく左右します。

初期症状は「水をよく飲む(多飲)」「尿の量が増える(多尿)」「食欲が少し落ちる」「体重が緩やかに減る」という微妙なものが多く、飼い主が気づきにくいのが特徴です。進行すると嘔吐・口臭(アンモニア臭)・元気消失・貧血などが現れます。

原因:加齢・高たんぱく食・慢性的な脱水・ウイルス感染・高血圧などが複合的に絡み合います。

治療:完治は難しく、食事療法(腎臓ケアフード)・皮下点滴・リン吸着剤・貧血治療などで進行を遅らせる維持管理が中心となります。

治療費目安:ステージ1〜2では月5,000〜15,000円、進行ステージでは月20,000〜50,000円以上かかることも。

予防のポイント:日常的な水分摂取の増加(自動給水器・ウェットフード活用)・年1回以上の血液・尿検査・若いうちから適正体重の維持が有効です。

尿路疾患(FLUTD):オス猫は特に命にかかわる

猫の下部尿路疾患(FLUTD)は特発性膀胱炎・尿石症・尿道閉塞などを総称した疾患群です。特にオス猫は尿道が細く長いため、尿石や粘液栓による尿道閉塞が起きやすく、放置すると12〜24時間で尿毒症から死に至ることがあります。

症状:頻繁にトイレに行くのに尿が出ない・排尿時に鳴く・血尿・陰部を気にしてなめる・食欲低下。

原因:水分摂取量の少なさ・ドライフードのみの食事・ストレス・肥満・運動不足・フードのミネラルバランス(マグネシウム・リン・カルシウム)の偏りなど。

治療費目安:膀胱炎の内科治療5,000〜20,000円、尿道閉塞の入院・処置30,000〜100,000円。

予防:ウェットフードの取り入れ・自動給水器の設置・低ミネラルフードへの切り替え・ストレスの少ない環境づくり。

糖尿病:肥満猫に多い生活習慣病

肥満・運動不足・シニア期に多い糖尿病。インスリンの分泌不足または抵抗性によって血糖値が慢性的に高い状態が続きます。人間の2型糖尿病に近い病態です。

症状:多飲多尿・食欲があるのに体重が落ちる・後ろ足のふらつき(糖尿病性ニューロパシー)・毛並みの悪化。

治療:インスリン注射を1日1〜2回自宅投与するケースが多く、飼い主の負担が大きい。低炭水化物食への切り替えで寛解(インスリン不要になる)する例も。

治療費目安:月10,000〜30,000円(インスリン・通院・モニタリング) 心臓疾患

心臓・循環器疾患:肥大型心筋症(HCM)

肥大型心筋症(HCM)は猫で最も多い心臓病で、心室壁が異常に厚くなって心機能が低下する疾患です。メインクーン・ラグドール・スコティッシュフォールドなど特定の猫種に遺伝的素因がありますが、雑種猫を含む全猫種に発症しうります。

症状:初期はほぼ無症状。進行すると呼吸困難(口を開けて呼吸)・元気消失・失神・突然死。胸水が溜まると急激に悪化します。

診断:心臓エコー検査(超音波検査)でしか確認できないため、ハイリスク猫種は1〜2年に1回の定期検査が推奨されます。

治療費目安:エコー検査1回5,000〜15,000円、薬物療法月5,000〜15,000円

注意点

猫のHCMは突然死の原因になり得ます。「元気そうだから大丈夫」と油断しないことが重要です。

消化器疾患:嘔吐・下痢・炎症性腸疾患(IBD)

猫の嘔吐は「毛球の吐き出し」など正常な場合もありますが、週2回以上の嘔吐・血液混じりの嘔吐・体重減少を伴う場合は病気のサインです。

急性嘔吐・下痢の主な原因

  • フードの急な変更・食べ過ぎ・食べてはいけないものの誤食
  • ウイルス・細菌感染(パルボウイルス・サルモネラなど)
  • 寄生虫(回虫・条虫・ジアルジア)
  • 異物誤飲(おもちゃの部品・ひも類が特に危険)

慢性嘔吐・炎症性腸疾患(IBD)

慢性的な嘔吐・下痢・体重減少が続く場合、炎症性腸疾患(IBD)の可能性があります。腸粘膜に慢性的な炎症が起きる疾患で、リンパ腫との鑑別が重要です。ステロイド・免疫抑制剤による治療が中心です。

治療費目安:内科的治療月8,000〜25,000円

甲状腺機能亢進症:シニア猫に多い内分泌疾患

10歳以上のシニア猫に非常に多い疾患で、甲状腺ホルモンが過剰分泌される状態です。新陳代謝が過活動になることで様々な症状が出ます。

症状:食欲が増えているのに体重が減る・多飲多尿・活動性増加(落ち着きのなさ)・嘔吐・下痢・毛並みの悪化・大声での鳴き声増加。

治療法:抗甲状腺薬(毎日内服)・外科的切除・放射性ヨウ素治療(I-131)の3種類があります。薬での管理が最も一般的。

治療費目安:薬物療法で月5,000〜15,000円

重要

甲状腺機能亢進症は高血圧・心筋症・慢性腎臓病を合併しやすいため、診断時に複数の疾患を同時評価することが必要です。

猫白血病ウイルス(FeLV)・猫免疫不全ウイルス(FIV・猫エイズ)

どちらも猫同士の接触(喧嘩による咬傷・グルーミングなど)で感染するウイルス疾患です。外飼い猫・野良猫との接触がある猫で特にリスクが高くなります。

疾患名感染経路主な症状ワクチン室内飼いのリスク
猫白血病(FeLV)接触・母子感染免疫低下・貧血・リンパ腫あり低(完全室内なら)
猫エイズ(FIV)主に咬傷慢性感染症・口内炎・免疫低下あり(※注意)低(完全室内なら)

FIVワクチンは接種後の抗体検査で陽性反応が出るため、感染猫との誤判定リスクがあります。ワクチン接種の判断は獣医師と相談しましょう。

歯周病:3歳以上の猫の70%以上が罹患

猫の歯周病は非常に一般的で、3歳以上の猫の約70%が何らかの歯科疾患を持つとされています。軽視されがちですが、進行すると顎骨への影響・心臓病・腎臓病への関連も指摘されています。

歯周病が進行するプロセス

  1. 歯垢(プラーク)が歯面に付着
  2. 放置すると歯石化(石灰化)し固くなる
  3. 歯肉炎が起きて出血・口臭が発生
  4. 歯周ポケットが形成され歯槽骨が溶ける
  5. 歯の脱落・顎骨骨髄炎へ進展

猫の歯磨きの方法

最終目標は「毎日の歯磨き」ですが、慣れるまでステップが必要です。まず指で歯茎に触れることに慣れさせ、次にガーゼ→最後に猫用歯ブラシへと段階的に進めましょう。猫用の「チキン・シーフード味の歯磨き粉」を使うと受け入れやすくなります。

毎日が難しい場合は、デンタルガム・デンタルジェル・口腔ケア用水の活用も補助的に有効です。

歯科治療費目安:スケーリング(歯石除去)1回10,000〜30,000円(全身麻酔が必要)

がん・腫瘍:猫の死因上位の疾患

猫のがんは犬より発生率が低いとされていますが、発見時にはすでに進行しているケースが多く、予後が悪い傾向があります。特に乳腺腫瘍・リンパ腫・扁平上皮がんが多く見られます。

がんの種類好発部位・特徴予防・早期発見の鍵
乳腺腫瘍メス猫に多い・約80%が悪性初発情前の避妊手術で90%以上リスク低減
リンパ腫消化器型が最多・全身に発生しうる体重減少・嘔吐が続く場合は早期受診
扁平上皮がん口腔・鼻腔・耳介に多い口臭・顔の変形・潰瘍に注意
肥満細胞腫皮膚・脾臓・消化管皮膚のしこり・腹部の違和感

月に1回、全身を触って「しこり・腫れ・硬い部位」がないか確認する習慣をつけましょう。早期発見が治療の選択肢を大きく広げます。

感染症とワクチンで予防できる病気

病名原因主な症状ワクチン種類
猫ウイルス性鼻気管炎(FVR)猫ヘルペスウイルスくしゃみ・鼻水・目やに・発熱3種混合に含む
猫カリシウイルス感染症カリシウイルス口内炎・舌の潰瘍・発熱3種混合に含む
猫汎白血球減少症(猫パルボ)パルボウイルス激しい嘔吐・下痢・白血球減少3種混合に含む
猫クラミジア感染症クラミジア結膜炎・鼻炎4〜5種混合に含む

3種混合ワクチンは室内飼育猫でも接種を強く推奨します。初回接種スケジュールは生後8〜9週に1回目、4週後に2回目、以後毎年1回の追加接種です。

緊急受診が必要なサイン|このときは今すぐ病院へ

以下の症状が見られたら夜間救急含め即受診

  • 12時間以上尿が出ていない(特にオス猫)
  • 口を開けて呼吸している・呼吸が荒い
  • よろよろしている・立てない・意識がぼんやりしている
  • 痙攣・てんかん発作が起きている
  • 1日以上まったく何も食べない(子猫は半日以上)
  • 嘔吐・下痢が止まらない・血液が混じっている
  • 腹部が異常に膨らんでいる・触ると痛がる
  • 目が突然白くなった・失明したようにぶつかる
  • 骨折・大きな外傷・交通事故後

猫の病状は急変することがあります。「様子を見よう」と判断して手遅れになるケースは少なくありません。迷ったら受診することをおすすめします。

定期健康診断の重要性と費用目安

猫は年齢によって推奨される健康診断の頻度が異なります。症状が出る前に発見できる「予防医療」が、長期的な医療費の削減にもつながります。

年齢推奨頻度検査内容目安費用目安
0〜6歳年1回身体検査・血液検査・尿検査8,000〜15,000円
7〜10歳年1〜2回上記+血圧測定・X線15,000〜25,000円
11歳以上年2〜3回上記+エコー検査・甲状腺検査20,000〜40,000円

健康診断で早期に慢性腎臓病を発見した猫は、発見が遅れた猫より平均寿命が2〜3年長くなるというデータもあります。「元気だから必要ない」ではなく、「元気なうちにデータを蓄積する」ことが予防医療の本質です。

まとめ

猫にとって慢性腎臓病は最も多い死因とされており、特に10歳以上では約30〜40%が罹患するといわれています。そのため、日頃からの健康管理と早期発見が非常に重要になります。

また、オス猫に多い尿路閉塞は緊急性が高く、12〜24時間で命に関わる危険な状態になることがあります。頻繁にトイレに行くのに尿が出ていない様子が見られた場合は、迷わずすぐに動物病院を受診する必要があります。

ワクチン接種については、完全室内飼いであっても3種混合ワクチンは必須とされており、生後8〜9週頃から接種を開始します。感染症予防の基本として欠かせないものです。

さらに、3歳以上の猫の約70%が何らかの歯科疾患を抱えているとされており、日常的な歯磨きなどのケアが重要になります。歯の健康は全身の健康にも影響するため、軽視できません。

こうした病気のリスクに対応するためにも、年齢に応じた定期的な健康診断を受けることが、病気の早期発見と長寿につながります。

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編集長はロシアンブルー好き。先代のベルさんは21歳まで命を全う。今は2019年5月20日生まれのジェイさんと過ごしています。
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